不妊治療にクロミッドを用いることで排卵を起こしやすくしてくれます。

不妊について

幸せそうなカップル

愛する夫との間に子供が欲しいと考えている女性の方は結構いますよね。

ですが、そんな人たちの前に立ちふさがる病気が不妊症という病気です。

不妊症は女性にとって非常に厄介で深刻な病気であり、不妊治療を行っている人たちも大勢います。

多くの女性を悩ませる不妊症ですが、皆さんは不妊症についてどこまで知っていますか?

不妊症は妊娠を望んでいる健康な男女が避妊をせずに性行為を行っているのにもかかわらず、妊娠しない状態のことを指します。

通常は1年で約80%、2年で約90%のカップルが妊娠するといわれているのですが、日本で不妊症に悩むカップルは5.5組に1組といわれ、不妊治療を受けている人は50万人と推測されています。

不妊症の原因をつきとめることは簡単ではなく、そもそも妊娠のメカニズムが複雑なため受精するプロセスのどこか一箇所にでも問題があれば妊娠しにくくなってしまいます。

そのため、不妊の検査をしても特に問題が見つからないケースも少なくないのです。

不妊症ときくと、多くの方が単純に「子供ができない状態」だと考えがちですが、実際にはとても複雑な症状になっています。

また、近年は不妊症に悩む人は減少するどころか増え続けていくといわれており、これからも不妊症で悩む人は増えていくことが予想されます。

どんな状態が不妊なのか

不妊を説明する医者

とても複雑で、場合によっては検査をしても特に問題が見つからないこともある不妊症ですが、そもそもどのような状態が不妊というのでしょうか。

自分は不妊なのではないか、と考えている人はもちろん、将来子供を授かりたいと考えている人も、自分は不妊症なのかどうか確かめるために不妊の定義は知っておきたいところですよね。

不妊は日本産婦人科学会によって、きちんとした定義が定められています。

その定義は「妊娠を希望する男女が避妊をせず夫婦生活をしているにもかかわらず、一定期間以上妊娠できない状態」というもので、この一定期間は1年くらいが目安になっています。

つまり、避妊せずに性行為を行うようになってから1年が経過しているのに妊娠する気配がない場合は不妊である可能性が高いといえるのです。

この定義で定められている期間は2015年までは2年が一般的だったのですが、2015年8月29日に定義が変更され、2年から1年に短縮されました。

これにはWHOなどの世界の諸機関で1年と定義付けされていたことが関係しており、日本もそれにならって変更したという経緯があります。

妊娠は加齢と共に確率がどんどん低くなっていくため、1年以上が経過しているのに未だに子供ができる気配がない場合は、思い切って不妊治療に踏み切ったほうがいいでしょう。

不妊の原因は何?

不妊を考える女子

不妊は未だに解明されきっていない部分も多いのですが、判明している原因もいくつかあります。

その中の一つが排卵障害で、排卵障害があるため不妊症になってしまっているという女性もいます。

女性の身体は月に一度、排卵が起きますよね。

これは脳下垂体からのホルモン分泌によって一個の卵胞が成長して成熟し、やがて卵膜を破った卵子が卵巣の外に飛び出すことですが、排卵障害になってしまうと何らかの理由によって排卵がスムーズに行われなくなってしまいます。

排卵障害の原因は未だに明確になっていませんが、月経不順の女性に多いとされており、その他にも女性ホルモンを出す器官に原因がある場合や極度の肥満や体重減少、男性ホルモンが過剰になるなどのホルモンバランスの異常がある場合もあります。

また、日常生活でのストレスや、全く月経がなく早期閉経を起こしてしまっている女性もいるようです。

また、排卵障害には排卵がスムーズに行われなくなる他、排卵自体がなくなってしまう無排卵や、卵胞が育たないといったパターンもあります。

排卵障害は血液によるホルモン値の検査や経膣エコー、基礎体温グラフによる高温期と低温期に分かれているかどうかのチェックで調べることができますので、気になる人は一度調べてみるというのも一つの手です。

排卵障害以外の原因も

不妊の原因について説明する医者

不妊症の原因となるのは排卵障害だけでなく、子宮着床障害というものもあります。

子宮着床障害も普通に生活しているとなかなか耳にしない言葉なのでどのような症状なのかわからず、首を傾げる人は多いと思います。

子宮着床障害は受精卵が子宮内膜に着床せず、そのまま子宮を通り抜けていってしまう症状のことで、子宮内の障害かホルモン分泌の異常が原因にあげられます。

受精卵が子宮内膜に着床することができない原因の場合、子宮奇形や子宮内の癒着、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどの疾患が考えられます。

また、子宮内膜はエストロゲンとプロゲステロンが正常に分泌されることによって厚くなり、子宮内膜が十分厚くなることによって受精卵が着床しやすくなります。

プロゲステロンの分泌が不十分だった場合、子宮内膜に十分な厚さが出なくなり、受精卵が着床しにくくなってしまい、子宮着床障害になってしまいます。

子宮着床障害ではそもそも着床が上手くできないので、いくら受精に成功しても上手く妊娠することができません。

また、仮に着床することができても受精卵が十分に育つことができず、流産してしまう場合も着床障害に含まれます。

そのため、子宮着床障害である場合は、不妊治療の前に子宮着床障害を治療する必要があります。

卵管に原因があることも

不妊かもと思ってしまった女子

子供を授かるときにとても重要になってくる器官といえば子宮ですが、子宮と卵巣を繋いでいる卵管も同じくらいに大切な器官です。

不妊の原因の中には、この卵管が狭くなってしまったり、塞がってしまったりする卵管障害というものもあります。

卵管障害は発症すると自然妊娠の確率が下がってしまうので、不妊のときは卵管障害の可能性も疑わなくてはなりません。

卵管は卵子の取り込み、卵子と精子の受精、精子の輸送、受精卵の発育、胚の輸送の合計5つの働きをしてくれます。

これらの働きはどれも妊娠をするために重要な働きなのですが、卵管が狭くなってしまったり、卵管が塞がってしまう卵管閉塞が起きてしまうことがあります。

卵管が狭くなったり、卵管閉塞が起きてしまうと受精に大きな影響が出ますし、受精後にこういった症状が起きると胚を子宮に運ぶことができなくなってしまいます。

また、子宮外妊娠や子宮内膜症、性感染症などが原因で卵管が炎症を起こすと、周囲の細胞と癒着してしまい、不妊の原因になることもあるようです。

卵管障害は自覚症状が少なく、気付く人も少ないといわれています。

卵管障害かどうか調べる検査もあるので、心配な人は一度調べてもらいましょう。

老化も不妊の原因の一つ

老化が気になる女子

不妊になってしまったときに考えられる原因はこの他にもあります。

既に少しだけ触れましたが、女性の身体に秘められている妊孕性、つまり妊娠しやすさは加齢と共にどんどん低くなっていってしまいます。

女性の加齢と不妊症を考えるデータの中には女性の年齢と出産数の変化をまとめたグラフがあるのですが、そのグラフによると出産数は30歳から徐々に減少していき、35歳を過ぎた辺りから急速に加速、40歳を過ぎるとさらに急速に減少します。

つまり、老化も不妊の原因の一つになってしまうのです。

老化は卵子や卵巣にもあり、卵子が老化すると染色体に異常を持つ卵子が多くなると考えられています。

染色体に異常があった場合、受精しても受精卵が育たない、育っても着床しない、着床しても流産するといった特徴があります。

卵巣も他の臓器に比べて老化が早くから始まるため、卵子や卵巣が老化してしまっている場合、不妊になってしまうこともあるのです。

卵子や卵巣の老化を食い止める方法はなく、加齢によって老化する卵子や卵巣を若返らせることも不可能です。

ですが、生活習慣を見直すことで老化の進行を遅らせることや、十分な栄養を与えることで質の低下を抑えたりすることはできるので、気になる人は普段の生活を見直すことをオススメします。

原因がわからないことも

原因を探している女子

排卵障害、子宮着床障害、卵管障害、老化……と不妊症の原因をいろいろ紹介してきましたが、不妊症の中には検査をしても異常が見つからない、つまり原因不明の不妊症もあります。

原因不明の不妊は10%から30%といわれていますが、詳しい検査を受けた場合、原因不明の不妊症は10%以下になるという声もあるようです。

原因不明の不妊症だった場合、どうしたらいいのかわからなくなりますし、不安にもなりますが、あくまで今の医学で原因がわからないというだけで将来原因不明ではなくなる可能性もあります。

また、原因不明の不妊症は生活習慣のせいである、という意見もあるので、もし検査を受けて原因不明の不妊症だといわれたときは、まずは生活習慣から見直し、改善できそうなところがあれば改善していくというのもいいかもしれません。

もちろん原因不明の不妊症だったとしても不妊症の治療をすることができるので、原因がわからないから子供を授かることはできないと諦めてしまわないでください。

不妊症を克服した人の中には原因不明だといわれたけれど克服して子供を授かることができた、という人もいるので、原因がわからないから子供を授かることはできないというわけではありません。

検査で不妊か調べる

検査を勧める医者

自分が不妊なのかどうかはっきりと知ろうと思うと、不妊検査を受ける必要があります。

不妊検査は不妊外来のある病院の産婦人科か、不妊治療を専門としているクリニックで受けることができます。

不妊検査は女性だけでなく男性も受けることができ、当然ですがそれぞれ検査内容も異なります。

女性の不妊検査の場合、まずは問診から始まり、触診のあとに基本検査が行われます。

問診では生理の状態や過去の妊娠、出産経験、生活習慣、これまでにかかった病気の有無などについて質問され、触診では膣や子宮、卵巣の状態や痛みがあるかどうかといったことを調べてもらえます。

基本検査は様々なものがあり、超音波検査やホルモン検査、子宮卵管造影検査、卵管通気検査、通水検査、フーナーテストなどを行います。

もし基本検査後に何らかの異常が見られた場合は子宮鏡検査や腹腔鏡検査、子宮内膜組織検査、抗精子抗体検査などの精密検査を行います。

不妊検査は女性の場合、生理周期に合わせて進めるため、検査を一通り受け終わるまでに1ヶ月から2ヶ月かかるという特徴があります。

そのため、担当してくれている医師と相談しながら無理のないスケジュールで進めていけるようにしっかり計画を立てましょう。

不妊治療とは

どんな治療法があるのか

不妊治療を説明する女医

検査をして不妊症の原因が判明した場合、不妊治療へ進むことになります。

不妊治療では検査で判明した不妊の原因を改善し、妊娠の可能性を高める治療を行います。

具体的な治療方法は大きく分けて3種類に分けることができ、検査で判明した原因に合わせてどの治療法にするか選択されます。

最も軽い方法は自然に近い形で妊娠を目指す一般不妊治療で、この他には耳にすることが多い人工授精があり、それでも駄目だった場合は体外受精・顕微授精が選択されます。

原因不明の不妊症だった場合は最も軽い一般不妊治療から治療を開始します。

不妊治療にはお金がかかるというイメージを抱いている人も多いと思いますが、事実、不妊治療には結構なお金が必要になってきます。

一般的に不妊治療を始めて実際に妊娠するまでには平均して2年ほどかかるといわれています。

治療に必要な回数や期間には個人差があるので一概に平均の費用はこうだ!と言い切るのは難しいのですが、大体100万円から200万円程度とされているようです。

どうしても赤ちゃんが欲しくて何度も不妊治療を繰り返したカップルの場合、1000万円を超えるほどのお金を使ってしまったという人たちもいます。

子供ができないと焦ってしまい、周囲の物事や値段が頭に入りにくくなりますが、不妊治療を受けるときは費用のことや止めるタイミングなどもしっかり頭に入れておくことをオススメします。

負担の軽い治療法

負担の軽い治療法を考える女子

不妊治療ではまずは経済的、身体的に負担の軽い治療方法からスタートし、なかなか妊娠できない場合は次の治療方法に進むという流れで進んでいくことがほとんどです。

不妊治療をはじめて最初に行うことになるのがタイミング法という治療方法です。

タイミング法は最も妊娠しやすいタイミングに合わせて性行為を行う方法です。

基礎体温や超音波検査、ホルモン検査などの結果を参考にしながら排卵日を予測し、最も妊娠が期待できるタイミングをアドバイスしてもらう方法です。

卵子の寿命は排卵から24時間程度で、精子と受精することができるのは約6時間から8時間程度なので、排卵日の2日前頃に性行為を行って精子が卵管膨大部で排卵を待ち受けているという受精しやすい状態を作るのがタイミング法です。

タイミング法は毎月の生理周期の排卵日に合わせて取り組む方法なので、毎月1回、排卵日を予測しながら性行為を行い、その後に妊娠しているかどうかを確認するという作業を繰り返します。

不妊治療を受ける女性が35歳未満であればタイミング法は6ヶ月から8ヶ月ほど続け、35歳以上で男女ともに問題がなければタイミング法を6ヶ月ほど続けることもあります。

しかし、年齢が上がるごとに妊娠の確率は下がるため、タイミング法で妊娠できなかった場合はできるだけ早く次の治療に切り替える必要があります。

排卵誘発剤を使うことも

排卵誘発剤

タイミング法による不妊治療を行う場合は、基本的に自然周期によるタイミング法を行うことになります。

しかし、自然周期では上手くいかなかったりする場合は排卵誘発剤を併用し、複数の卵子を排卵させて受精の確率を高くすることもあります。

排卵誘発剤を使えば排卵率は70%から80%に上がり、妊娠の成功率も20%から40%と高くなるので、自然周期の排卵では上手くいかないという人は排卵誘発剤を使用するというのも一つの手です。

また、排卵誘発剤を使えば卵巣の状態を整えることもできるので、卵子がしっかり育つようになり、黄体ホルモンも分泌されるようになるので高温期も安定します。

結果、身体をより妊娠しやすい状態にすることができるので、タイミング法を行っている人は成功率を高めるために排卵誘発剤の使用を検討するのも有効な方法です。

ですが、排卵誘発剤も薬の一種なので副作用が存在することは忘れてはいけません。

医師の判断を仰がずに使用するのもあまり好ましくないので、排卵誘発剤を併用したいと考えたときはまずは担当してくれている医師に相談することを忘れてはいけません。

もちろん、どのような副作用があるのかといった薬についての情報もきちんと調べ、薬の知識を自分でも得ておきましょう。

よく耳にする治療法

治療法を説明する医者

タイミング法を行っても妊娠することができなかった場合、次に行うことになる治療法が人工授精です。

人工授精は不妊治療の中では有名な方法ですので、聞いたことがある人やぼんやりとだけど知っている人も多いと思います。

人工授精は名前に人工とついているので、非常に科学的な方法を使って行うというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、とても簡単にいってしまうと男性から精液を提供してもらい、それをカテーテルなどを使って女性の子宮内へ注入する方法です。

精子の提供者によって種類が区別されており、配偶者が提供した精子を使用する場合は配偶者間人工授精、第三者から提供された精子を使用する場合は非配偶者間人工授精と呼ばれます。

人工授精の大まかな流れは、排卵前から準備を始め、排卵後に人工授精を行い、妊娠しているかどうかチェックするといった流れになります。

排卵の方法は女性の身体の状態によって自然排卵に任せるか排卵誘発剤を使うか決められます。

排卵前に超音波検査や黄体ホルモンの測定などを行って排卵日を正確に予測、特定し、排卵日に男性から提供された精子を子宮内に注入し、人工授精を実施してから14日後に妊娠したかどうか確かめます。

人工授精は自由診療で保険が適用されず、1回行うにあたり約2万円から3万円ほどの費用が必要になります。

人工授精で妊娠していなかった場合はもう一度行うことになるので、繰り返したらその分だけお金が必要になるということは忘れないようにしましょう。

しばらく人工授精を繰り返しても効果が見られなかった場合、体外受精・顕微授精に進むことができますが、体外受精・顕微授精は妊娠率が高い分必要になる費用も最も高額になるので、すぐに進むのではなくよく考えてからにしましょう。

不妊治療薬:クロミッド

不妊治療薬として有名

不妊治療薬として有名なクロミッド

不妊治療を行うときによく使われる薬の中に、クロミッドという薬があります。

クロミッドは排卵誘発剤の中の一つで、医師から処方されることも多い不妊治療薬です。

医師から処方されることも多いので、不妊治療を行っている人や不妊治療について調べている人なら何度か目にしたり、耳にしたりしたこともあるかもしれません。

クロミッドは錠剤タイプの飲み薬で、主に排卵が無い女性や、正常に排卵しているもののタイミング法での妊娠が上手くいかない場合にも処方される薬です。

不妊治療の中でもクロミッドを使っての排卵の誘発は費用や時間があまりかからず、負担が小さいといわれており、原因不明の不妊治療でも最初に用いられます。

クロミッドは排卵誘発剤の中でも安全性が高いといわれている薬のため、安心して服用することができますが、安全性が高いから副作用も全くないというわけではありません。

クロミッドを処方してもらったときはどのような副作用が現れる可能性があるのかきちんと聞き、自分でもクロミッドについて調べてみることをオススメします。

クロミッドは適切な服用方法で服用すれば妊娠への可能性を高めることができるので、不妊治療を行っている方はぜひ一度クロミッドを使用してみてください。

クロミッドの成分は?

クロミッドの成分を解説する医者

不妊治療薬の中でも頼りになるのがクロミッド。

クロミッドにはクエン酸クロミフェンという成分が使われており、この成分は視床下部という脳の部分に作用する成分です。

不妊治療を行っている人たちの間では耳にすることも多い成分なので、もしかしたら聞き覚えがあるという人もいるかもしれませんね。

クエン酸クロミフェンは、クロミッドを服用することによって、性腺刺激ホルモンの一つであるゴナドトロピンの分泌を促進することで排卵を促すという働きをしてくれます。

卵胞ホルモンが不足しているように錯覚させるため卵胞ホルモンの分泌が活発に行われるようになり、排卵を起こりやすくしてくれる効果があるのです。

また、クエン酸クロミフェンは卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌も促進する効果があるので、卵胞の成長にも高い効果を発揮してくれるというわけです。

卵子の質も改善されるので、こういった面から見てもクロミッドは不妊治療をしている女性たちの強い味方だといえますね。

ですが、クエン酸クロミフェンには飲み合わせが悪い成分、つまり飲み合わせが悪い薬があります。

そのため、クロミッドを使うときは服用しても大丈夫か、問題ないかをきちんと専門の医師に確認してもらうようにしましょう。

どのように作用するのか

クロミッドを服用した女性

クロミッドは服用することでクエン酸クロミフェンが視床下部に作用するのは既にお話しましたが、どのような仕組みでどのように働きかけるのでしょうか。

また、クロミッドが視床下部に働きかけることによって、どのような変化が起きるのか気になる人もいるのではないでしょうか。

排卵が起きるまでのホルモン分泌は、通常、性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌され、次に卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが分泌され、最後にエストロゲンが分泌されます。

この順番でホルモンが分泌されることによって卵胞の成長と排卵が促されます。

ホルモンの放出は視床下部でコントロールされており、最初に放出される性腺刺激ホルモン放出ホルモンはエストロゲンが少ないことを脳が認識することによって分泌されます。

つまり、排卵を促すためには脳、ホルモン分泌を司っている視床下部に働きかけなくてはなりません。

クロミッドには抗エストロゲン作用も含まれており、エストロゲンを脳に認識させない作用があります。

エストロゲンが分泌されていない状態を人為的に作り出すことで視床下部に働きかけ、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌させ、下垂体から黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンを分泌、さらに卵巣にエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲステロンを分泌させることで卵胞の成長と排卵を促していくという仕組みになっているのです。

効果が期待できるケース

効果が期待できる場合を説明する医者

妊娠を希望しているけれど上手く妊娠することができない人たちにとって、とても心強い存在になってくれるクロミッド。

そんなクロミッドですが、どのようなパターンなら効果的なのか気になっている人も多いかと思います。

繰り返しになってしまいますが、クロミッドは視床下部に働きかけることによって排卵を促し、妊娠の可能性を高めてくれる効果のある排卵誘発剤の一つです。

そのため、妊娠にはとても重要になってくる排卵が上手くいかない排卵障害の治療薬として使われることもあります。

つまり、クロミッドは軽い排卵障害がある人たちには効果的だといえます。

また、クロミッドを服用することで卵巣からエストロゲンとプロゲステロンを分泌させる効果もあるので、子宮着床障害にも効果があるといえるでしょう。

しかし、着床障害の場合、クロミッドによる排卵の誘発と一緒に葉酸などを摂取してセルフケアも一緒に行う必要もあるので、注意しましょう。

実際に排卵障害があったけれどクロミッドの服用を始めてから無事に妊娠することができたという人たちもいるので、クロミッドの効果はとても大きいものだといえます。

ですが、クロミッドを使っても上手く排卵が起きなかったり、クロミッドを服用しても効果が期待できない場合もあるので、クロミッドを服用しているから妊娠できるというわけではありません。

効果を発揮しないケース

服用したけど効果が無かった女性

クロミッドはとても頼りになる排卵誘発剤ですが、不妊の症状の中には残念ながらクロミッドを服用しても効果が期待できないケースも存在しています。

全ての不妊の症状にクロミッドが効果を発揮してくれるわけではないので、クロミッドを服用するときはそのこともしっかり頭に入れておく必要があります。

クロミッドが上手く効果を発揮してくれないケースの一つに、卵管障害があります。

卵管障害になっている場合、何らかの原因によって受け入れた精子の通り道となる卵管が癒着してしまったり、閉塞を起こしてしまったりしているので、卵管障害のままクロミッドを服用して排卵数を増やしても、そもそも卵子と精子が上手く出会えない状態になってしまっています。

卵管障害のままだといくらクロミッドを服用しても効果が期待できないので、卵管障害が原因で不妊症になっている人の場合、まずは卵管障害を先に治療する必要があります。

また、仮に受精することができても今度は受精卵が上手く子宮へ移動することができないので、子宮外妊娠の原因にもなってしまいます。

子宮外妊娠は大変危険な症状なので、そういった面から見ても、卵管障害による不妊症の場合はクロミッドによる治療よりも先に卵管障害を治療しておくことが大切です。

また、重い排卵障害の場合も効果が見られないこともあるので、注意が必要です。

クロミッドの値段は?

保険が適用されるクロミッド

クロミッドによる不妊治療は不妊治療の最初のステップとして選ばれることも多いので、不妊治療の中では比較的費用の負担も軽いという特徴があります。

また、クロミッドには保険が適用されるのでそれほど高額になることもなく、1ヶ月あたり1000円以下で処方してもらうことができます。

保険が適用されて、しかも少しの出費で手に入れることができるため、クロミッドはそういった価格面からでも不妊に悩む多くの人たちから人気を集めています。

しかし、これはあくまでも1ヶ月分の値段です。

クロミッドによるタイミング法などの不妊治療がなかなか上手くいかなかった場合、何度か繰り返すことになるので、クロミッドの処方の費用が必要になります。

そのため、積み重なって最終的に高額になってしまうかもしれない可能性もしっかり頭に入れておきましょう。

もちろん、タイミング法以外の不妊治療とクロミッドを併用することになった場合も最終的な合計金額は結構な金額になってしまうので、そのことも忘れてはいけません。

クロミッドの副作用は?

クロミッドの副作用について尋ねる女性

排卵誘発剤の一つであるクロミッドを服用することで副作用が現れることがあることは少しだけ触れましたが、具体的にはどのような副作用があるのでしょうか。

混雑している人気の不妊治療クリニックだとクロミッドなどの不妊治療薬について副作用の話をあまり詳しく聞かされないこともあるので、クロミッドの副作用はもしものときのためにきちんと調べて知っておくことをオススメします。

クロミッドの副作用にはあまり心配ないものから気を付けたほうがいいものまで、様々な副作用があります。

クロミッドの副作用の中であまり心配ないといわれているものは、眠気や頭痛、めまい、イライラ、ほてり、出血などがあります。

最も気を付けたほうがいい副作用は卵巣過剰刺激症候群という症状です。

卵巣過剰刺激症候群は薬によって卵巣が腫れてしまい、水がたまってしまうというもので、腎不全や血栓症などの重篤な症状を引き起こすこともあります。

卵巣過剰刺激症候群が起きるのはごく稀なことですが、クロミッドの副作用によってこういった副作用があることはきちんと理解しておきましょう。

副作用がひどいと感じた場合は我慢するのではなく速やかに病院へ行き、かかりつけの医師へ相談するようにしましょう。

また、クロミッドの副作用の中には双子を妊娠する確率があがるというものもあります。

通常、双子などを妊娠する多胎妊娠が起きる可能性は1%とごくわずかな確率ですが、クロミッドを服用すると多胎妊娠が起きる可能性は5%に上昇します。

子供が欲しい人にとっては双子が産まれるかもしれないなんて素敵じゃないかと感じるかもしれませんが、多胎妊娠は母子共に負担が大きいことは忘れてはいけません。

この他にも、クロミッドは着床に重要な子宮内膜を薄くしてしまうという副作用も含まれているので、セルフケアもきちんと行いましょう。

日本製?海外製?

日本製のクロミッド

クロミッドは、今から約50年以上前、1961年にアメリカのメレル社で開発されました。

もちろん排卵誘発剤としての安全性も確立しています。

日本では富士製薬や塩野義製薬などがクロミッドを販売しています。

クロミッドは日本製のものと海外製のものがあり、海外製のものも医薬品を輸入することによって手に入れることができます。

日本製のクロミッドの場合、病院などで処方してもらうことで手に入れることができるのですが、日本製の医薬品の場合は価格も高く、また病院からの処方になるため、診察などの費用を含めると膨大な価格になってしまいます。

その点、海外製のクロミッドを使用する場合は、比較的安価で購入でき、診察などの費用も必要ありません。そのため近年では海外製のクロミッドを手に入れて不妊治療をする方も増加しています。

これには誰もが簡単にインターネットを利用できるようになったことも関係しています。

インターネットを利用することで、簡単に医薬品を購入することができるようになり、どんな会社がクロミッドを販売しているのかと疑問に思っても簡単に調べることができるようになったため、安心して購入することができるようになったのです。

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